#024 音楽著作権に関係する主な登場人物(その20)「著作権使用者」(5)「インターネット事業者」

前回は、「著作権使用者」を利用主体別に見ていくなかで、「レコード会社」と「放送局」について見てみました。

今回は、「著作権使用者」のうち、「インターネット事業者」に代表される、インターネット上で楽曲を利用する人たちについて考えます。インディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんも、自作の楽曲をインターネットサイトにアップロードすることがあると思いますが、その場合についても考えます。

<「インターネット事業者」が「著作権使用者」の場合>
「音楽著作権使用料の一般的な流れ」の図で、主な「著作権使用者」のうち、「インターネット事業者」を挙げています。

ここでいう「インターネット事業者」とは、回線接続業者やインターネットサービスプロバイダというよりむしろ、音楽の著作権であれば、楽曲を音源、歌詞、楽譜の形でインタラクティブ配信する事業者と考えるのが良いと思います。動画投稿(共有)サイトも同様の事業者として考えられます。配信形式が、ダウンロード形式、ストリーム形式、サブスクリプションであるかを問いません。

また、個人や個人事業主でも、インターネット上(自己のサイト上)で音楽を利用する場合は、同様に考えることができます。

配信先の端末が、パソコンでも、スマートフォンでも、携帯電話でも、同じ取扱いです(ただし、通常の楽曲配信と着信音専用データ・リングバックトーン配信とでは「著作権使用料」が異なります(JASRAC、NexTone(本記事執筆時点)))。

<商用利用と非商用利用>
JASRACのサイト「インターネット上での音楽利用」によれば、
・ 商用配信とは
情報料または広告料等収入を得て行う配信、および収入の有無にかかわらず営利を目的とする者が行う配信
・ 非商用配信とは
個人・非営利団体・文部科学省が定める教育機関等が行う営利を目的としない配信
のことをいいます。

個人の場合、非商用配信の規定が適用となる場合がありますが、その場合でも、楽曲の著作権がJASRACに管理委託されている場合、「著作権使用料」の支払いが必要です。

<自作をインターネットサイトにアップロードする場合>
インディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんが、自身が作詞作曲した楽曲を、自身のインターネットサイトにアップロードして、曲の全てを聞くことができるようにする場合、その楽曲の著作権をJASRACなどの著作権等管理事業者に管理委託している場合は、自身で作詞作曲した楽曲であっても、JASRACなど の許諾を得て、所定の「著作権使用料」を支払う必要があることに要注意です(自己管理の楽曲については、JASRACなどの許諾を得る必要はありません)(JASRAC送信部ネットワーク課「インターネットや携帯電話等 音楽利用の手引き」)。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんが、自身で作詞作曲した楽曲を、自身が「レコード製作者」としてレコーディングした音源や、自身が歌唱して録画したライブ動画を、YouTubeやニコニコ動画などの動画投稿(共有)サイトにアップロードする場合、一定の条件を満たすときには、それが可能です。この場合には動画投稿(共有)サイトが「著作権使用料」を支払いますので、原則として、インディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんが「著作権使用料」を支払う必要はありません。

例えば、JASRACに管理委託している楽曲を、JASRACと許諾契約を締結している動画投稿(共有)サイトにアップロードすることは、自身で制作した音源であれば可能ということになります。この場合、JASRACのサイト「動画投稿(共有)サイトでの音楽利用」に詳しいフローチャートが掲載されていますので、それぞれの状況を確認してアップロードの手続きを進めると良いでしょう。

また、「利用許諾契約を締結しているUGCサービスリストの公表について」で、どの動画投稿(共有)サイトがJASRACと許諾契約を締結しているかを見ることができます。YouTubeやニコニコ動画などが許諾契約を締結していることを確認できると思います。

<自作をインターネットサイトで試聴可能にする場合>
JASRACの管理楽曲について、アーティストが自身のインターネットサイトで自分の作品の試聴ができるようにしたい場合、一定の条件を満たすときには、JASRACに事前に所定の届出書を提出することで「著作権使用料」が免除されます。

JASRACのサイト「試聴について」によれば、「試聴」のうち使用料が免除できるものとして、
・ 有料の音楽配信で、ダウンロードする画面と同じ画面で行うもの
・ 市販の CD(輸入盤・中古盤を除く)等の販売事業者が自社ホームページで行うもの
・ レコード製作者・アーティスト等が自分の作品について自らのホームページで行うもの
が挙げられています。その場合でも、再生時間が45秒以内のストリーム形式のものに限られます。

「音楽出版社」経由であるか否かを問わず、JASRACなどの著作権等管理事業者に自作の楽曲を管理委託しているインディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんが、それらの自作楽曲をご自分のインターネットサイトで試聴可能にする1つの方法としては、先に挙げた動画投稿(共有)サイトに自作の動画や音源をアップロードしたうえで、その動画や音源をご自分のインターネットサイトに埋め込みリンクするという方法が考えられます。その場合、適切な手続きにしたがって、動画投稿(共有)サイトへのアップロードがなされていることが必要です。

次回も「インターネット事業者」の補足を行いつつ、引き続き、「著作権使用者」をそれぞれの利用主体別に見ていきます。

(次回もよろしくお願いします!)

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