#035 音楽著作権に関係する主な登場人物(その31)「著作権使用者」(16)「ミュージックビデオを製作する人たち」(5)

何度か見ていただいている参考イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」の「その他」にはどんな人がいるかを見ています。

「ミュージックビデオを製作する人たち」について見てきていますが、今まで、著作物の種類として考えると、ミュージックビデオが「映画の著作物」と考えられることを、また、そのことから、「著作物」と「映画の著作物」とではどんな点が異なるのかについての説明を通して、誰がその著作者や著作権者であるかということを、見てきました。

今回は、「著作物」と「映画の著作物」とではどんな点が異なるのかについてもう少し(具体的には「映画の著作物」の保護期間について)見てみます。

<参考:イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」>

<「映画の著作物」の保護期間が他の「著作物」と異なります!>
今まで「著作物」の保護期間については説明をしてきませんでしたが、「著作物」と「映画の著作物」との相違点で、この段階で説明したい点として、「映画の著作物」の保護期間を見てみます。

<一般的な「著作物」の保護期間は、原則として「著作者」の死後50年まで>
「著作物」の保護期間(「著作権」の存続期間)は、原則として、「著作物」の創作の時点から、「著作者」の死後50年を経過するまでの間です。

一般的な「著作物」の保護期間について押さえておきたいポイントは、1つは保護期間の開始が「著作物」の創作の時点であること、もう1つは保護期間の終了が、原則として、「著作者」の死後50年を経過するまでであることです。

「原則として」という場合には例外があるのですが、その例外についてや、一般的な「著作権」(や「著作隣接権」)の存続期間の考え方のポイントについてなどは、別の機会に改めて詳しく説明することにします。

<「映画の著作物」の保護期間は公表後70年まで>
「映画の著作物」の場合、保護期間の開始時点が(映画の)「著作物」の創作の時点であることは変わりはありませんが、保護期間の終了時点は、一般の「著作物」の場合と異なります。

「映画の著作物」の保護期間は、原則として、その「著作物」の公表後70 年を経過するまでとなります(ただし、その「著作物」が創作後70年以内に公表されなかったときは、創作後70 年を経過するまでとなります)。

つまり、ミュージックビデオを含む「映画の著作物」の保護期間についてのポイントは、1つは、一般的な「著作物」と同じく、保護期間の開始が「著作物」の創作の時点であること、もう1つは保護期間の終了が、原則として、公表後70年を経過するまでであることです。

<「映画の著作物」の保護期間が、原則として、「公表後70年まで」である理由>
前回まで、「映画の著作物」の「著作者」と「著作権者」について見てきました。「映画の著作物」の場合、実際のところ、誰が著作者に含まれるかが明確でなく、そのため、「映画の著作物の著作者」の全員に著作権を認めると「映画の著作物」の円滑な流通が確保されないおそれがあるとのことから、「映画の著作物の著作権」を「映画製作者」に帰属させるという取扱いになっていると説明しました。

「映画の著作物」の保護期間の終了時点についても、「『著作者』の死亡時点」を起算の基準とすると、「映画の著作物の著作者」が必ずしも明確でなく、そのため、「映画の著作物」の円滑な流通が確保されないおそれがあるためとのことから、「公表時点」を起算の基準としていると考えられています。

また、「映画の著作物」の保護期間の終了時点を、「公表後50年まで」ではなく、「公表後70年まで」としているのは、一般的な基準である「著作者の死後50年まで」と「公表後50年まで」とを比べたとき著作者の死亡時点を基準にする場合の方が保護期間が長くなる傾向があり、その均衡を図るため「映画の著作物」については「公表後70年まで」としているという説明がなされています(他に、欧米の規定との均衡や、DVD販売など映画の二次的な利用が進んでいることなどもその理由であると考えられています)。

<「著作物」の保護期間の算定方法>
「著作物」の保護期間の算定方法ですが、その終了時点の算定は、一般的な「著作物」に適用される「著作者」の死亡時点を基準にする場合でも、公表時点を基準にする場合でも、創作時点を基準とする場合でも、いずれの場合も、その時点からの起算ではなく、「著作者」が死亡した日、「著作物」が公表された日、「著作物」が創作された日の属する年の翌年1月1日から起算する方法をとります。

例えば、2017年6月1日に創作され、2017年6月11日に公表されたミュージックビデオ(= 「映画の著作物」)の「著作権」は、創作時点の2017年6月1日から、公表日の翌年(2018年)の1月1日から起算して70年まで、つまり2087年12月31日まで保護されるということになります。

<次回の予告>
次回も、「ミュージックビデオを製作する人たち」の続きです(予定)。

(次回もよろしくお願いします!)

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