#039 音楽著作権に関係する主な登場人物(その35)「著作権使用者」(20)「音楽を広告に使う人たち」(3)

何度か見ていただいている参考イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」の「その他」にはどんな人がいるかを見ています。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストのみなさんの楽曲も、CMなどの広告に利用される場合があります。今回から「音楽を広告に使う人たち」について見てきています。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストのみなさんご本人が広告主になる場合以外は、ご自身で手続きをすることはないと思いますが、著作者あるいは著作隣接権者として、広告主や広告会社から確認や許諾を求められることがありますので、その点にご留意しながらご覧ください。

<参考:イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」>

<CMで楽曲を利用する際の手続き(その1)(既存の楽曲を広告に使う場合)の続きの続き>
前々回は、CM制作に係るJASRACの手続きについて見ました。

つまり、広告主あるいは広告会社は、広告目的で制作する録音物・映像ソフト・出版物などに音楽作品を複製利用する場合、著作者(音楽出版社がある場合は音楽出版社)に、事前に、楽曲の利用可否や利用可能な場合の使用料の確認を行ったうえで(「事前確認」)、広告目的の複製物の制作についてJASRACにその申込みを行います(「広告目的複製利用申込書の作成・提出」)。

前回は、CM放送・配信などCMの展開方法ごとの利用手続きについて見ました。

おさらいとしてのポイントは、広告目的の制作にあたっての音楽著作物の「複製」のための手続きと、音楽著作物が「複製」された広告目的の制作物(CM)を展開して提供していくための手続きが必要となることでした。

例えば、CMを放送・配信する場合であれば、CM制作に係る手続き(CM放送・配信用の録音のための手続き)と、CM放送・配信のために録音された制作物(CM)を放送・配信により展開していくための手続きのそれぞれが必要だということでした。

今回は、「CM放送・配信などCMの展開方法ごとの利用手続き」のうち、CMを放送・配信以外でも利用する場合の手続きについて説明します。

<CMを放送・配信以外でも利用する場合の手続き>
放送や配信以外の方法で、広告主や広告会社がCMを展開して提供することがあります(音楽著作物が複製された広告目的で制作された制作物を総称して「CM」として説明しています)。

放送や配信以外での提供方法には、主に、以下のものがあります(JASRACサイトページ「広告目的の録音物・映像ソフト・出版物などの制作」や「CMと音楽著作権」11ページをご参照ください)。

制作物の提供方法:
(1)「上映」:
複製の形態としては「録音」。
(例)「動画CM」の店頭、街頭ビジョン、イベント会場、機内ビジョンでの上映、デジタルサイネージ用の宣伝映像の上映(「ビデオグラム録音」)
「劇場用CM」の劇場での上映(「映画録音」)

(2)「演奏(再生)」:
複製の形態としては「録音」。
(例)店頭、イベント会場、アドトラックでの再生演奏、音声POP用の宣伝音声の再生演奏(「オーディオ録音」)

(3)「展示・掲示」:
複製の形態としては、「出版等」
(例)ポスター、壁面広告による展示・掲示

(4)「配布など」:
複製の形態としては「録音」
(例)楽曲を使用したキャンペーンの一環として配布するノベルティグッズの配布(「オーディオ録音」または「ビデオグラム録音」)
雑誌広告、新聞広告、宣伝用のチラシ、パンフレットの配布(出版等)

<CM制作に係る手続き>
提供方法の(1)から(4)までのすべてについて、放送や配信による展開の場合と同様、広告目的で行う音楽著作物の複製に係る手続き(「CM制作に係る手続き」)が必要となります。

つまり、広告主または広告会社が「事前確認」と「広告目的複製申込書の作成・提出」の手続きを行い、JASRACによる請求書および許諾書の発行、利用申込者による広告目的複製使用料の支払いといった、一連の「CM制作に係る手続き」を行います。

提供方法が(3)と(4)の場合は、制作物に許諾番号とJASRACロゴマーク等を表示します(JASRACサイトページ「許諾番号等の表示方法」)。

<CMを上映や演奏(再生)で利用する場合の手続き>
提供方法が(1)と(2)の場合は、放送や配信の場合と同様、「CM制作に係る手続き」に加え、「CMの展開方法ごとの利用手続き」が必要となります。

JASRACサイトページ「広告目的の録音物・映像ソフト・出版物などの制作」では、
店頭において上映する場合の手続き

イベント会場などにおいて上映する場合の手続き

デジタルサイネージで継続的に上映する場合(店頭において上映する場合を除く)の手続き

劇場用CMとして上映する場合の手続き

のそれぞれについて説明しています。

動画を伴わないCM音源の再生演奏、機内ビジョンでのCM上映についてはJASRAC演奏部演奏業務課に問い合わせます。

また、広告目的の出版物(雑誌広告、新聞広告、ポスター、チラシなど)をデータ化し、ホームページへの掲載などにより配信する場合には、別途手続きが必要です(JASRACサイトページ「歌詞や楽譜などを用いた広告素材の配信利用について」)。

提供方法が(3)と(4)の場合は、「CM制作に係る手続き」のみが必要で、「CMの展開方法ごとの利用手続き」は必要ありません。

なお、広告目的の複製であるか否かの適用範囲を明確にするために、JASRACでは「広告目的複製の範囲に関するガイドライン」を提供しています。「音楽著作物」をビジネス上で使用する際に閲覧すると便利です。

<次回の予告>
次回は、「音楽を広告に使う人たち」に関し「CMで楽曲を利用する際の手続き(その2)(CM委嘱・タイアップ作品)」について見ていく予定です。

(次回もよろしくお願いします!)

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