#040 音楽著作権に関係する主な登場人物(その36)「著作権使用者」(21)「音楽を広告に使う人たち」(4)

何度か見ていただいている参考イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」の「その他」にはどんな人がいるかを見ています。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストのみなさんの楽曲も、CMなどの広告に利用される場合があります。今回から「音楽を広告に使う人たち」について見てきています。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストのみなさんご本人が広告主になる場合以外は、ご自身で手続きをすることはないと思いますが、著作者あるいは著作隣接権者として、広告主や広告会社から確認や許諾を求められることがありますので、その点にご留意しながらご覧ください。

<参考:イメージ図「音楽著作権使用料の一般的な流れ」>

<CMで楽曲を利用する際の手続き(その2)(委嘱・タイアップの場合)>
前回までは、既存の楽曲を広告に使う場合についての手続きを見てきました。

今回は、既存の楽曲ではなく、CMのために書き下ろされた作品(「CM委嘱作品」)や音楽配信(商用)やCDなどの販売などの促進(プロモーション)を目的としてCMに利用する新しい作品(「CMタイアップ作品」)について、主にJASRACにおける取扱いに関して、説明します(JASRACサイトページ内「CMと音楽著作権(Ver. 4.0)」をご参照ください)。

<「CM委嘱作品」と「CMタイアップ作品」について>
ここで、「CM委嘱作品」(「委嘱」は「いしょく」と読みます)とは、「CMのために『依頼を受けて書き下ろした』として、委託者(音楽出版社、作詞者、作曲者など)からJASRACに届出された作品」のことを言います。この場合、作詞者、作曲者、音楽出版社などの関係権利者は、(当然のことながら)CMのために依頼を受けて楽曲を書き下ろしていることについての認識が必要です。

また、「CMタイアップ作品」とは、「『新曲プロモーションのため広告主等からタイアップ協力が得られた』として、委託者からJASRACに届出された作品」のことを言います。この場合、作詞者、作曲者、音楽出版社など、著作権について関係する権利者全ての同意が必要となります。JASRACの取扱いでは、旧譜扱いの作品のタイアップは、ここでいう「CMタイアップ作品」の対象とはなりません。

<「CM委嘱作品」と「CMタイアップ作品」として取扱われると?>
「CM委嘱作品」と「CMタイアップ作品」として取扱われるとどのような効果があるのでしょうか?

・著作権使用料免除
JASRACなどの著作権等管理事業者に管理委託している楽曲を利用した場合は、原則として、楽曲の利用者は著作権使用料を支払う必要がありますが、「CM委嘱作品」と「CMタイアップ作品」については、一定の場合、一定の期間の著作権使用料の支払いが免除となります。

前回まで、「CM制作に係る手続き(広告目的複製)」と「CM放送・配信などCMの展開方法ごとの利用手続き」について見てきました。

簡単におさらいすれば、広告主等は「CM制作(広告目的複製)」のための手続きと「放送・配信などの利用」のための手続きの2種類の手続きを行い、それぞれの手続きに基づいて著作権使用料を支払う必要があるということでした。

「CM委嘱作品」と「CMタイアップ作品」として取扱われる場合には、そのうち、

・ 「CM制作に係る手続き(広告目的複製)」については、展開方法が
(a) 放送(テレビ・ラジオCM)
(b) 店頭での上映(動画CM)
(c) 街頭ビジョン・イベント会場・機内ビジョンでの上映(動画CM)
(d) 劇場での上映(劇場用CM)
の場合に、著作権使用料が免除となります。

また、
・ 「CM放送・配信などCMの展開方法ごとの利用手続き」については、展開方法が、
(1) 放送(テレビ・ラジオCM)
(2) 店頭での上映(動画CM)(ビデオ上映)
(3) 劇場での上映(劇場用CM)(映画上映)
の場合に、著作権使用料が免除となります。

「配信(ウェブCM)」や「再生演奏(音声CM)」については、「CM制作に係る手続き(広告目的複製)」についても「CMの展開方法ごとの利用手続き」についても著作権使用料免除の対象にはなりません。

「CMの展開方法ごとの利用手続き」の必要のない、「展示・掲示(ポスター等)」や「配布(ノベルティグッズ等)」についてであっても、「CM制作に係る手続き(広告目的複製)」については著作権使用料免除の対象となりません。

また、「CM制作に係る手続き(広告目的複製)」では著作権使用料免除の対象となっている「街頭ビジョン・イベント会場・機内ビジョンでの上映(動画CM)」(上述の(c))についても、「CMの展開方法ごとの利用手続き」については著作権使用料免除の対象に含まれていません。

・著作権使用料の免除期間
JASRACでの取扱いの場合、「CM委嘱作品」については、原則として、1年、「CMタイアップ作品」については楽曲の販売(配信)開始から3ヶ月(最長で1年)とされています(タイアップ可能な商品・サービス数は3つまでとなっています)。

なお、1つの楽曲について、「CM委嘱」と「CMタイアップ」の両方を選択することはできないことになっています。ただし、「映画委嘱作品」(映画のために依頼を受けて書き下ろされた作品)を「CMタイアップ作品」として届け出ることは可能となっています。

NexToneでの取扱いの場合、使用料の免除期間、タイアップ可能な商品・サービス数の制限はなく、新曲・旧譜ともタイアップの対象として使用料免除の取扱いが可能となっています。また、CM配信についても、一定の場合、使用料を免除・減額の対応ができるようです(NexToneサイトページ「CM・広告に音楽を利用する場合のお手続き」などご参照)。

ところで、今回は、「CM委嘱・タイアップ作品(楽曲)」の著作権について見てきましたが、音源については、レコード製作者や実演家(それぞれ「著作隣接権者」)との調整のもと、使用料などを取決めることになります。

<次回の予告>
次回も、引き続き、「著作権使用者」について見ていく予定です。

(次回もよろしくお願いします!)

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