#020 音楽著作権に関係する主な登場人物(その16)「著作権使用者」(1)「実演家」&「レコード製作者」

前回まで、「音楽アーティスト」(および「実演家」)や「レコード製作者」について見てきました。今回から、「音楽著作権に関係する主な登場人物」として「著作権使用者」を見ていきます。

「楽曲」つまり「音楽著作物」を使用する際には、著作物の使用者つまり「著作物使用者」は、「著作権者」から許諾を得て「著作権者」に「著作権使用料」を払い、「著作物」を使用することになります。今回以降、「著作権使用料」を支払うという人という意味も含み、「著作物使用者」を「著作権使用者」として説明していきます。

<前回までのおさらい・「実演家」や「レコード製作者」には「著作隣接権」>
「実演家」や「レコード製作者」には、権利の中身は異なりますが、ともに、「著作隣接権」といわれる権利が与えられているということを説明しました。
(「著作隣接権」といわれる権利は(これも権利の中身は異なりますが)、他に、放送事業者・有線放送事業者にも認められています。)

「著作隣接権」は、それが認められている「実演家」や「レコード製作者」には、著作物を創作はしていないので「著作権」は認められないが、著作物を伝達する重要な役割を担う者として認められている権利だということも説明しました。

<「実演家」や「レコード製作者」も、言ってみれば、「著作権使用者」>
前回までは触れませんでしたが、「音楽著作権に関係する登場人物」としてみてみれば、これらの「実演家」や「レコード製作者」は、一方で、音楽著作物を使用している者として考えるべき一面があります。

「実演家」は、例えば、「歌手」の場合、「作詞家・作曲家」が創作した楽曲を歌うことによって使用する人ですし、「レコード製作者」も、「作詞家・作曲家」が創作した楽曲の「実演家」による実演を録音して原盤を製作する人で、それにより楽曲を使用する人です。

楽曲を使用(利用)するとは、「作詞家・作曲家」から歌ったり録音することの許諾を得て、著作権使用料を払って、歌ったり録音することです。楽曲の著作権の管理をJASRACなどの「著作権等管理事業者」に委託していれば、許諾申請や著作権使用料支払いは「著作権等管理事業者」に対して行います。その点について、前回の説明に関連して言えば、「著作隣接権」を認められている者ではありますが、実演や録音をする場合には著作権使用料を払わなくてはいけないということになります。

インディーズの音楽クリエイターやアーティストの皆さんの中には、自作自演のシンガー・ソングライターの方も多いと思いますが、「シンガー・ソングライター」の「シンガー」としては、「シンガー・ソングライター」の「ソングライター」から許諾を得て著作権使用料を支払うことが必要となることになります。「シンガー・ソングライター」は、人物としてはひとりであっても、ふたつの異なる役割を担っており、このようなことを考えなくてはならない場合もあるので注意が必要です。

「著作権等管理事業者」に楽曲の著作権の管理を委託している場合には、原則として、(「実演家」自身が払うかどうかは別として)自作自演であっても、「著作権等管理事業者」に著作権使用料を払うことになります。

この場合、例えば、シンガー・ソングライターの方が、自身が原盤製作資金を出し、「レコード製作者」として自作の楽曲のみでレコーディングを行い、原盤を作成し、CDを作成・発売するときには、自作の楽曲のみのレコーディングとはいえ、そのシンガー・ソングライターの方が「レコード製作者」として「著作権等管理事業者」に著作権使用料を払う必要が出てくるということになります。

次回も「著作権使用者」について見ていきます。

(次回もよろしくお願いします!)

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