#009 音楽著作権に関係する主な登場人物(その5)「音楽出版社」(3)

今回は、「音楽著作権に関する主な登場人物」の「音楽出版社」の3回目です。

<前回までの内容>
さて、前回まで、
・ 「音楽出版社」は、なぜ、「音楽出版社」と呼ばれているのか、
・ 音楽著作権のお金の流れから見た「音楽出版社」の立ち位置、
・ 「作詞家・作曲家」がその「音楽著作権」を「音楽出版社」に譲渡する実務的な取扱いの意味
・ 「音楽出版社」の主な業務
について説明しました。

また、
・ 音楽著作権の管理(著作権管理業務)
・ 音楽著作権の利用開発(利用開発業務)
・ 原盤の制作(原盤制作業務)
の3つが、一般的に言われている「音楽出版社」の主な業務だと説明しました。

今回は、「音楽出版社」の最後の回として、
・ 「音楽出版社」における主なプレイヤー、
・ 著作権使用料の分配・再分配の仕組み
を見ていくことにします。

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<「音楽出版社」における主なプレイヤー>
それでは、「音楽出版社」にはどのようなプレイヤーがいるのかを見てみましょう。ざっくりと、大きく分類することができるならば、
① 「メジャー」といわれる大手音楽出版社、
② 芸能事務所・音楽事務所系の音楽出版社、
③ 個人音楽出版社
④ その他
という分類でしょうか。

このうち、①には大手レコード会社や放送局系の音楽出版社が多く、②は芸能プロダクションの所属アーティストの楽曲が管理されていることが多いです。③は一部のビッグアーティストが自分の楽曲を管理するために設立したものが多いようです。④はそれ以外の音楽出版社が含まれます。④には、老舗の音楽出版社もあれば、新しく設立された音楽出版社もあります。それぞれがそれぞれの立場において、音楽出版社として、音楽に携わっているということが言えるでしょう。

<続・音楽出版社の立ち位置「著作権使用料の分配・再分配の仕組み」>

上の図でも示しているように、「音楽出版社」は、著作権使用料の徴収を行うJASRACやNexToneなどの著作権等管理事業者から著作権使用料の分配を受けます。

そのうえで、「作詞家・作曲家」と「音楽出版社」との間であらかじめ決めておいた分配率にしたがって、「音楽出版社」は分配を受けた著作権使用料から自分が受け取る取り分を差し引いた後で、「作詞家・作曲家」に著作権使用料を再分配します。

それでは、「音楽出版社」と「作詞家・作曲家」との間では、どのような分配が行われているのでしょうか。

例えば、一般社団法人日本音楽制作者連盟が発行する「音楽主義」やウェブサイトなどを見ると、その際の、「音楽出版社」と「作詞家・作曲家」との間の分配率は、「『音楽出版社』 = 50%、『作詞家』 = 25%、『作曲家』 = 25%」であることが多いようです。また、同ウェブサイトでは、※印として、「実績の大きな作詞家や作曲家の場合は3分の1ずつというケースもあります」と説明しています。

JASRACの「著作物使用料分配規程」の第9条や第36条などで、関係権利者間における著作権使用料の分配率のパターンを定めており、「音楽出版社」がJASRACに提出する作品届では、「作詞者」・「作曲者」・「音楽出版者」の三者の分配率を届け出るための欄が設けられています(JASRACウェブサイト「分配ルールの基本」より)。

(次回は、音楽著作権に関係する主な登場人物である「著作権等管理事業者」について説明する予定です。次回もよろしくお願いします!)

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